【書評】大槻ケンヂさんのリンダリンダラバーソールについて書いてみました。
リンダリンダラバーソール、このタイトルに懐かしさを感じる方も、きっと多いのではないかと思います。
リンダリンダはTHE BLUE HEARTSの名曲、ラバーソールは靴底がゴム製の革靴です。
どちらも、1980年代のバンドブームを象徴するキーワードです。
作者の大槻ケンヂさんも「リンダリンダラバーソール」に象徴される時代に一世を風靡した筋肉少女帯のボーカリストとして活躍されていました。
私は「リンダリンダラバーソール」な時代に、まだ小学校にも入学していなかったので、当時のことは全然記憶にありません。
ですが、この本はそんな人にもバンドブーム前夜(更には大槻ケンヂさんの「何かしたいけど何をすればいいか分からない」大学生時代も)、バンドブーム到来の喧騒、そしてブームの終了…その中で大槻ケンヂさんの見たバンドマン達について、かなり詳しく知ることが出来ます。
物語は大槻ケンヂこと「オーケン」と、その彼女の「コマコ」を中心に進みます。
コマコが実際の彼女だったのかは、定かではないようです。
世の中は経済で回っています。
どんなに綺麗事を並べても、お金を生まなければ長続きさせることはできません。
バンドに限らずブームとは得てしてそういうもの。
そして大衆から忘れ去られてしまうのです。
しかし、ブームの中でオーケンが見失ってしまったコマコと、やがて再会を果たすくだりは、何度読んでもこみ上げてくるものがあります。
コマコは覚えていたのですから。
ブームが去ろうとも、覚えていたのですから。
このリンダリンダラバーソールは、1980年代のバンドブームの空気感を味わいたい方には勿論ですが、甘酸っぱい青春小説としても、きっと楽しめることと思います。
伊坂幸太郎さんの「ゴールデンスランバー」を読んだ感想を書いてみました
私が紹介したい、是非読んでもらいたい作品がこの「ゴールデンスランバー」。
伊坂幸太郎さんといえば、鮮やかな伏線回収が特徴的ですが、この作品も「そうきたか!」と思わせるような展開が待ち受けています。
首相のパレードが行われている最中、突如爆発が起きて首相が殺されてしまうのですが、犯人にされてしまったのは主人公の青柳。
濡れ衣を着せられた彼はどうにかこうにか、様々な人の助けをもらいながら逃げていく、というお話。果たして青柳は逃げ切ることができるのか……。
日常的な描写が多いのですが、その日常の中にも伊坂さんならではの伏線が張り巡らされています。
なので一つ一つの設定や言葉が見逃せなくなります。
一方、かつての同級生たちとの会話や、青柳を通してそれぞれの登場人物が交差していく姿はなんだかぐっとくるものがあります。
私にもこうやって助けてくれる人がいるのかなぁ……と思ってしまったり。
特に青柳の大学の友人たちとの回想シーン、彼の父親の言葉など胸を打たれます。
タイトルのゴールデンスランバーというのも、友人たちとの会話を思うと頷けるものがあります。
物語は逃走劇であり、悲しい場面もあるのですが、その中でも生きて生きて生き抜こうとする青柳の姿は応援したくなるような気持ちにさせてくれます。
伊坂さんの作品は何作か映画化していますが、これも堺雅人さんが主役で映画化にもなった作品。映画ではタイトル「ゴールデンスランバー」と同名(というより由来となった)曲が流れ、彼らの思い出の美しさと切なさがひしひしと伝わってきます。
映画は見た人も、まだという人も是非手にとってみてください。ページから伝わる疾走感に、手が追いつかなくなりますよ!
伊藤緋沙子さんの描くマダムクロードの自伝とパリの社会の光と影
好きなエッセイストで伊藤緋沙子さんの作品が何度も読見返してしまう愛読書になっています。
伊藤緋沙子さんはおもに貴族の男爵夫人や特に海外の上流社会の(大変しきたりなどが厳しく、だけどウィットに富んだ)礼節を解りやすく私達にも日常に取り入れやすく解説と独特の着眼点で書かれたエッセイの作品は大変刺激的です。
伊藤緋沙子さんの作品のほとんどは上流社会で生きる夫人や知識階級がモデルになっていますがその中で唯一以外なモデルケースがマダムクロードでしょう。
マダムクロードは60~70年代にパリで高級娼館のマダムとして話題になった実在の女性ですが特筆すべきはその美意識の高さです。
マダムクロードの上流の顧客達を夢中にさせた数々の女性としての身だしなみのテクニックなどが上流マナーブックなどを翻訳してきた伊藤緋沙子さんの視点で実際にパリでマダムクロードに会った印象などを「華麗なショックをうけた」と強い感銘をうけて執筆をされたことを書かれています。
マダムクロードの自伝(翻訳は伊藤緋沙子さん)は私達日本人には衝撃的な内容とすごく伝えたいと感じさせるのはふつう人からもっとも蔑まれる職業(娼婦)についている女達のマダムクロードのテクニックの伝授によって成功したケースを書く事で私達の日常でも取り入れる事のできるマナーの奥深さを貴族の上流夫人達とはまた違う視点で書かれている画期的な作品です。
私が小川洋子さんと出会ったのは、第1回本屋大賞を受賞した「博士の愛した数式」でした。
あれ良かったよ、と知り合いが薦めてくれたので読み始めたのですが、小川洋子さんの文章はとても読みやすく、まるで静かに流れゆく、それこそ小川のようで、穏やかな文章が心に気持ちよく染み入ってきました。
「博士の愛した数式」では、9歳の息子がいる主人公が、家政婦として、数学をこよなく愛する老人男性《博士》のお世話をしながら、彼への親愛の情や数学に対しての見識などが次第に深まっていく、そんな作品です。
息子を交えて3人で数学に取り組んだり、プロ野球ゲームを見に行って楽しんだり。事故の後遺症で80分しか記憶が持たない博士に、主人公は真摯に相対していきます。そして数字の持つ魅力に、感動を覚えます。
小川洋子さんはよく『静謐な筆致』と評されますが、たくさんの文章が重なり合い、一つになって、静けさをもたらします。
おまけに「博士の愛した数式」では、数学、特に奇数に対しての知識がかなり出てくるのですが、どれも複雑すぎず分かりやすく綴られています。
数学と文学の結婚とはよくいったもので、読めば読むほどに数学に対する自分の興味までもが高められていきました。
読み終えた時には涙が流れて、読んで良かった、と心の奥底から満足感がこみあげてきました。
後に「ブラフマンの埋葬」「猫を抱いて象と踊る」なども読みましたが、静かな筆致でこまやかな描写、見事だと感服いたしました。
この「蜩の記」を読む前までは、時代小説作家としての葉室麟さんの作品を読んだことはありませんでした。
不始末を犯して元奉行の切腹を見届けるという役を申し付かった壇野庄三郎が、監視することとなった戸田秋谷と接していくうちに、その人柄や生きざまに惹かれていく姿に感動を覚えました。
無実の罪を着せられて職を追われながらも、一言の弁明をすることもなく、命じられた藩の家譜「蜩の記」を粛々と執筆していくその姿勢には人としての大切なことを周りの人に伝えていきます。
秋谷の家族たちも父を信じ支えていきます。
秋谷の無実を信じて家老へ息子と共に談判に行きますが、聞き遂げられることはなく、切腹の刻限は刻々と迫ってくるのです。
次第に明かされる冤罪事件の真相。
葉室麟さんの時代小説を初めて読んだのですが、非常に読みやすく端正な文体で、悲劇的な結末を迎える話を、丹念に登場する人々の心情を追いながら読むことができました。
このような人物が身の回りにいたならばと思いながら、主役の庄三郎の目線から鮮やかに人としての生きざまを教えてくれました。
人の世の中のしがらみ、藩の事情など個人ではどうしようもできない罪を着せられて尚、このように人に感銘を与えて生きる道があるのだと感動しました。
蜩の記はさすがに直木賞の受賞作だと感じられる作品でした。
山田里志さんの山田式1円満室術を読んだ感想
不動産投資をしている人の満室に変える裏技の載った本です。
その方法は簡単で1円で手に入れた家具を賃貸物件に付けると言う内容です。
数年前に出た本ですので、今の賃貸物件の多くで実践されている内容だと思います。
古い自己物件に他の賃貸物件と差別化を図り、特典を出す事を模索し、思い付いた方法がヤフオクでいい家具を安く落札し物件に備え付けると言う方法です。
その体験談を記載した一冊です。
体験談なので読みやすく容易に読み進める事が出来る本です。
初めの内こそ1円で中古ではあるが高価な家具と交換する事に抵抗はあったようですが、複数回続けている内に慣れてきたと書いてありました。
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確かに人から、しかも知らない人から物を頂く事に抵抗を感じるものです。
しかし出品者は逆に処分料がかからないので良かったとも思っているようです。
又、家具を通じてその出品者と触れ合う事で刺激になりいい取引が出来たと感じている様です。
特にですが、物件は殆どが中古になります。
自分が入居する前には他の人も使用していた物になります。
人によっては他の人が使用したものに抵抗を感じる人もいると思いますが、極論を言えば家なんかは中古に当たります。
その抵抗を乗り越えると家具が付いた物件を選択肢に入れる事が出来ると思いました。
差別化を図る為の方法なので家賃の底上げには難しい方法です。
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しかし、1円で入居者が決まり、その後数年に渡って継続して住んでくれればそれだけで十分な儲けが出る手法だと思います。
家賃を下げるのは声を発するだけで済む事ですが、それでは利回りは上がりません。
きちんと収益を上げる為にはいかに安く価値を出すかが重要です。
その神髄を突いている内容だと感じました。
ただ、この方法は1円で購入し車で取りに行くのですが、車を持っていたり、力、時間が必要な方法だと思いました。
車を保有していない大家さんの場合はレンタカー代を考えると新しいものを購入し発送してもらった方が安く着く場合もあるかな、と思いました。
又、常に欲しい時に欲しい価格で出品されている訳ではありません。
常にチェックしておくか、目ぼしい物は予め購入し引き取り、自宅の倉庫に保管していると記載していました。
自宅も大きくないと他に家の為の家具を置く場所もありません。
全ての大家さんに直ぐに実践できる方法ではありませんが、考え方としては重要だと感じました。
大家さんは不労所得と言われたもしますが、決して不労では無いと感じる一冊です。
一人コングロマリットとは一人で複数の職業を持つ事です。
今の日本の殆どの人は一人に一個の肩書きや職業を持って生活しています。
しかし、それではかなり不安定な状態であると書かれています。
確かに大手の企業は沢山あり、そこに就職すると安泰と言うイメージも強いです。
しかし、未来30年に渡って同じ様な状態が維持できるかは不明です。
そこで勧めるのがコングロマリットという働き方です。
仕事の後に少しアルバイトをする様な副業とは違い、本業の波及的な仕事であったり、趣味で本格的に稼ぐイメージの方が的確です。
今の日本で会社に属している人の中には殆どの人が休みを心待ちにしています。
休みだからと言ってやりたい事も十分に出来ない状態でも、殆ど寝て過ごしていても休みを楽しみにしています。
そういう働き方ではなく、仕事が楽しくてしょうがない状況になれば生活その物が潤うと考えています。
一番手っ取り早いのは自分で起業する事だと思いました。
会社を作ります!と大それた事では無く初めは趣味程度からお金を頂く事を始めたらいいと思います。
恐らく始めは一つの分野から生活出来る程度のお金を頂く事は出来ません。
自分が出来る色んな事に一生懸命手を出して仕事をし成果を繋げていくからこそ、コングロマリットが完成するのだと思います。
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知り合いに大手の会社の事務をしていた女の人がいました。
それまではずっと会社員として働いていたので起業は自分とは関係ない人の話しだと思っていました。
そんな時に知り合った男性と結婚し、子供を出産しました。
自宅でも子育てしながら出来る様にと自宅で美容サロンを作るように旦那さんに言われ作りました。
初めは戸惑いながらも旦那さんの指導の元、軌道に乗せる事が出来ました。
しかし、軌道に乗るまでは不安定でその間もネットショップの代理店を旦那さんの勧めで始めたようです。
パソコン一つあれば出来る仕事です。
発送は元の会社が行うので在庫も抱えません。
顧客とのメールのやり取りを行うのみです。
今はその経験を生かして女性の起業を手助けするコンサル業も行っている様です。
これぞまさしく、コングロマリットだと思います。
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色んなと御ろから複数の仕事として収入を得ています。
美容サロンで収入が得られなくても他で補填する事が出来ています。
美容サロンは、その後知人に売却ました。
今は店舗無く彼女自身が看板となって働いて収入を得ています。
会社員をしている時はそんな事が自分に出来るなんて思ってもいなかったようですが、今はそう思っている女性に教えている立場になっています。
そんな働き方を提案してくれる一冊です。
映画化もして話題沸騰中!有川浩の「植物図鑑」を読んでみました。
「別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」
文豪・川端康成はそんな言葉を残したそうです。
このお話は、この名言をなぞるように進んでいきます。
映画化もしました、有川浩の「植物図鑑」。
タイトルから、実際に図鑑の棚に配置されることもあるそうですが、中身は純粋も純粋な、真っ向勝負の恋愛物です。
けれど、読み終わる頃には少し植物にも詳しくなれるかも?
主人公さやかはどこにでもいるしがない普通のOL。
ある冬の終わり、飲み会を終えて酔っ払っていたところ、自宅の前で行き倒れている一人の青年を拾います。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」「咬みません。躾のできたよい子です」もうこの時点で有川浩の真骨頂、ぐいぐいと独特な有川ワールドに引き込まれていきます。
そうしてさやかの家に転がり込んだ青年の名前は「イツキ」。
諸事情があって本名は名乗りたくないと言うミステリアスな青年は、しかし、料理がとても上手で、翌朝の朝食でさやかの胃袋をがっちりと掴んでしまいます。
「誰かに作ってもらったご飯が美味しい」という感覚は、一人暮らしを経験したことのある人なら身に染みるやもしれません。
この後もたびたびイツキの手料理が登場するので、寝る前の読書にはおすすめしません。
想像するだけで美味しそうで、お腹が空いてしまいます。
特に空腹時にはご注意を!
イツキは料理が上手いほかに、植物、特に野草に詳しく、さやかに食べられる野草を教えてくれます。
それが楽しくなって、二人は週末には遠出をして野草を取りに行くことに。
読んでいると、ああ、私も取りに行きたい!と思ってしまいます。
生き生きとした登場人物が、爽やかに日々を駆け抜けていく様が、ありありと思い描けます。
また、作者の実体験にしっかり基づいて書かれているので、野草に目を向けたことなどほとんどない人間でも、二人の楽しさを感じ取れます。
野草ってほとんどスーパーに出回らないんですよね。
しかし取りに行ける自信もないので、いいなあ、と思ってしまいます。
しかし、ある日イツキは――ここから先の展開は、ぜひご自身の目で読んで確かめてください。
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息を吐かせぬ展開、さやかの切々とした心境、色を無くした日々、二人はどうなってしまうのか、きっとページをめくるのさえもどかしく、早く早く、と思ってしまうはずです。
結末?安心してください、ハッピーエンドですよ。
有川浩ですから、お墨付きです。
有川浩と言えば「図書館戦争」シリーズや「自衛隊三部作」「空飛ぶ広報室」などが有名なので、ミリタリー色が強いのかと二の足を踏んでいらっしゃるかもしれません。
しかししかし、有川浩は恋愛モノも強いのです。
「植物図鑑」「レインツリーの国」「県庁おもてなし課」、どれも素敵でほっと胸が温かくなるお話です。
ちょっと生きるのに疲れたとき。花がふわりと咲くような、心温まる、有川浩の「植物図鑑」、いかがですか?
5人の作家がリレー形式で書く、JOY!について書いてみました【嶽本野ばらさん、角田光代さん、唯野未歩子さん、井上荒野さん、江國香織さん】
このJOY!という本は、嶽本野ばらさん、角田光代さん、唯野未歩子さん、井上荒野さん、江國香織さんの5人がリレー形式で一つの物語を描く、一風変わった形の小説です。
1980年代バンドブームの時代にインディーズで活動していた「ガーゼスキンノイローゼ」のボーカリスト、JOY。
嶽本野ばらさんの描く第1章「プリンセスプリンセス」では、このJOYに恋をする女性、まりんのお話です。
中学3年生で親に「お前、進路はどうするんだ?」と聞かれるという、不思議な展開から始まります。
義務はないんだから学費も払わないぞ、というポリシーなのです。
そのポリシーは、必死に勉強して難易度の高い学費があまりかからない都立に合格しても、変わることはありませんでした。かなりお金に困っていたのでしょう。
彼女は仕方なく、さびれた池袋の喫茶店で、寝る間も惜しんでアルバイトを始めます。
学校にも行きながらですから、相当な殺人的スケジュールです。
しかし、この喫茶店で出会った1人の男性に持ちかけられた(というか、騙された)割のいいアルバイトで生活は一変します。
そのアルバイトは、なんと高円寺でのピンサロ嬢。
彼女はそこで「まりん」と名付けられます。
まりんは学費を払うのがやっとだったのに、お洒落もし放題。
そして当時ライブハウスに出てビッグになることを目指していたJOYに出会います。
このような、嶽本野ばらさんのかなり壮絶な幕開けで「JOY!」は幕を開けます。
角田光代さんの「楽園」では何の取り柄もない太った高校生がJOYに狂い、結婚までしてしまう話。
角田光代さんの話は、かなりの狂気を持っていると感じました。
ですが、これが純愛なのかも。
唯野未歩子さんの「17歳」ではJOYがパパなんじゃないかと思ってしまった女の子の話。
つまり、他とは時代が少し違います。
唯野未歩子さんの文体は、他の作家さんとだいぶ違います。
これを読みやすいと感じる方もいるかもしれません。
最初に読んでもいいかも。
井上荒野さんの「All about you」では、妻のいる男性の愛人が、とあるきっかけでセーラー服を着てガーゼスキンノイローゼのライブに行くようになるという話。
井上荒野さんの話が、一番重いかもしれません。
ですが、角田光代さんの話に出てきた時は心優しい女性だったので、ギャップに驚きもしたし納得もしました。
最後の江國香織さんの「テンペスト」はミュージシャンをやめたJOY、縄田さんと恋愛とは言わずとも関係を持ってしまう話。
江國香織さんの作り出す登場人物に独特の雰囲気を感じます。
最後には、JOYの復活ライブで全員が集まります。
JOY!是非読んでみてください。
山田詠美さんのデビュー作ベッドタイムアイズの一節が強力な自己PRだった頃
私が横浜に住むようようになってからいまだにストーリーのシーンを思い浮かべる場所があります。
夜に限定されますがホテルニューグランドのある通りは山田詠美さんの小説の世界観を思わせる雰囲気が好きです。
バンドホテルのダンスホールシェルルームやホテルニューグランドのシックなバーの事をエッセイの中でもよく書かれていてあのベッドタイムアイズのヒロインとスプーン(黒人の恋人)のラブストーリーを感じさせます。
私は山田詠美さんが文壇にデビューされたこの作品が出版された当時高校生でしたが外国人の恋人とのロマンスが描かれたこの作品は田舎育ちの私には衝撃でした。
同時にまだ住んだこともないナイトクラブのあるような街(外国人の多い)と大人の複雑な恋愛を想像してはまだ本当の恋など知らない頃の衝撃的なラブストーリーを初めて読んだ経験でした。
それからも山田詠美さんの作品はたくさん読みましたが初めてこのデビュー作のベッドタイムアイズの中の゛リスントゥザレイン雨の音を聞きなよ…″というヒロインに恋人がいうシーンは素敵で実は私は高校を卒業して就職する時会社の面接で好きな本の事を人事の人に聞かれあまりにもベストセラーだったから言うのをどうしようか迷ったのですがこのストーリーの話しをしました。
愛読書は赤毛のアンですなんて優等生にならずに。
【書評】タクスズキさんのサラリーマンが副業ブログで35万円稼ぐまでの奮闘記を読んで思ったことや解決した悩みとかをまとめてみた【副業】
概要
タクスズキさん執筆の副業ブログ書籍の書評
こんにちは!タクスズキさんの書籍を読んで納得の言葉しか今は出ない状態の@citmbです!
まず、この書籍の良いところはタクスズキさんがブログで稼ぐまでの経過を、ブログがバズった経験や、NEVERまとめの失敗談とか、とにかく経験談方式で説明してくれているところなんです!
まだブログを始めていない人や、今その真っ最中の人、今も続けていて「あ〜俺もそんな時あったなぁ〜」なんて懐古できるそんな書籍なんです!
学校の教科書みたいなつまんない事は一切書いてありません!
専門家みたいな難しいことも書いてないです。
タクスズキさんが地べた這いつくばって、泥水啜っているそんな泥臭い中を、ブログで稼ぐまでの成功や失敗談を100%本人の体験談を綴っている、それがこの書籍、サラリーマンが副業ブログで35万円稼ぐまでの奮闘記です!
横山秀夫 業界が欲しがる魅力的な人物とあっと言わせる苦いトリックの生みの親
最初に横山秀夫作品に触れたのは、テレビドラマだった。
警察官僚たちの苦悩を描く名作『陰の季節』です。
人事官僚の二渡警視が業務以上に振り回され上司になぶられ、奔走するのですが、一見なにもエンターテインメント性がないように感じます。
しかし、ドラマシリーズがあるとつい見てしまう。
そのうち、ほかのシリーズをじっくり読みたくなって、横山秀夫の小説を次々と手にとりはじめました。
中でも、とくにお気に入りとなったのは『ルパンの消息』です。
―――ルパン作戦と呼ばれる、試験問題を奪う作戦を悪ガキ3人組が立てるコメディ作品かと思いきや、昭和最大の強奪事件3億円事件も絡み合ってくるという。
わたし個人的に、3億円事件に関して興味があるので、面白い解釈だなと思って読んだのを思い出します。
またこの『ルパンの消息』も後に映像化され、先の小説での二渡警視役の上川隆也が今度は溝呂木というまたしても刑事を演じています。
最近では、映画『64』オールスターキャスト登壇などで話題になりましたが、横山秀夫、病気療養からの復帰第一作でした。
人づてに聞いた話で申し訳ないのですが、記憶障害のようなものになっておられたそうです。
そんな中、あのような長編大作を書き上げたことに尊敬を覚えます。
小説もとても重厚で読んでいて本当に心に沁みました。これからも作品を出し続けてくださるのを待っています。
最後に、横山秀夫作品は警察小説ばかりだとおっしゃる方も多いと思いますが、犯人目線のもの『影踏み』や『クライマーズハイ』のような新聞記者同士の熱い戦いを書いた小説もあります。
ほんとうにおすすめです。
あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。の書評
今の日本の会社の現状を書かれています。
ブラック企業と言われる会社だけでは無く、通常の会社でも多くはびこっているのではないかと言う会社と言う形の事が書かれています。
この会社の働き方は合っているのだろうか?
有休っていつもらえるの?
残業代は出ないの?
何で働いているんだろう。
こんな思いをしているのは私だけだろうかと考える方、読んでみて下さい。
実は皆同じ様な事を思いながら仕事をしてるのです。
しかし、一つ注意があります。
既に社畜の方は読まれても響きません。
むしろ嫌な思いをしてしまいます。
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何故なら社畜化している今の状況を否定されるからです。
自分がよかれと働き積み上げてきた経験や働き方を根本から否定されるからです。
この様な働き方をするのは日本人だけです。
又、日本人の習慣である空気を読む、と言う“社会人として当然の事”が更に社畜を生産している現状にあります。
今の日本人は働く事にやりがいを求めています。
当然同じ働くならやりがいがあった方が仕事に対して前向きになれます。
そのやりがいを持って働く事で本当に利益を得ているのは誰でしょうか?
働いている本人でしょうか?
やる気を出させる為の上司でしょうか?
それはきっと会社を運営している社長です。
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やりがいという実態の無い物に取り憑かれて、やりがいの為なら休みも残業代も返上して働く事が美徳とされる事で休みも残業代も払わなくて済む会社が利益を得ているだけだと言う事です。
人には色んな価値観があります。
やりがいを持って働いてきた会社員に育てられた子供は恐らくやりがいを持って働く事を美徳とします。
その様に小さい頃から言われ、就職活動や転職の時に助言されたのはそういう面だったのかもしれません。
ならば、と仕事にやりがいを探し求める様になります。
本当にやりがいがあれば残業代も休みもいりませんか?
やりがいだけで仕事を継続する事が出来ますか?
今までの環境で当然だと思っていた事は、もしかしたら誰かから思いこまされた物なのかも知れません。
今の環境を打開したいなら、自分が当然だと思っている事等を疑ってみる必要があるかもしれません。
会社に属しどっぷり社畜化される前の、就職前の方に読んで貰いたい一冊です。
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これから新たな環境で働こうとする人には不要の内容かもしれませんが、少なくとも初めて少しでも転職を考えた時には読んで貰いたい一冊です。
この本の上に書いてある一般の人の一言に共感出来ると思います。
自由人3.0の書評
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朝の満員電車に揺られている時、どうしても眠たくてもう一度眠い瞬間、何もやる気が無くて仕事が手に着かない状態の時に、なんでこんな状態でも仕事をしないといけないんだろうと考えた事はありませんか?
TVの特集でとてもお金持ちの人がその日の予定をその日の朝に決めたり、曜日の感覚が無い状態で過ごしている人を羨ましく思ったりした事がありませんか?
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でも、結局それは莫大な資産を持っている人かTVの中の人で極一部の特別な人しか出来ない事だと諦めていませんか。
諦めているならきっと5年後も同じ様に満員電車に揺られているし、眠くても仕事に行かなくてはいけません。
人間は生まれてきた瞬間は自由だし何でも出来るはずですが、生きる中でいつしか定職に就いて、固定給を貰って安定して生活を送らなくてはならないと思っています。
仕事を辞めても数日間は楽しく自由を満喫出来ますが、そう長くも続きません。
遊び友達は皆仕事をしているし、住府民税の徴収書が届けば、どこからお金を工面しようか、そもそも早く次の仕事先を探さなくてはならないと思っています。
自由に生きたい、好きな仕事をしたいと考えながらしないのは何故だろう。
もっと自由に生きていい、普通の私達がもっと自由に生きられる、と思いにさせてくれる一冊です。
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かなりコンパクトにまとめて書かれています。
正直一回読んだだけでは理解しきれません。
もしかしたら、実際に自由になった人が読むとすんなり入ってくるのでは、と思うほどあっさり書かれています。
しかし、内容は濃く考え方を変えさせてくれる内容です。
読んでそのまま行動に移せるような具体的な事は書かれていません。
自分の考えを少し変えるスパイスを与えてくれます。
働き方にはライフワーク、ライスワーク、ライクワークがあると言うのは知っている方も多いと思います。
では、今の職場、仕事は何の為に働いていますか?
生活の為でしょうか?
食事が出来るようにする為でしょうか?
好きな事の為なら仕事も億劫では無いはずです。
好きな事を仕事にしている人が仕事に求める事はやりがいではありません。
生きがいです。
生きがいを求めて仕事をしているので仕事自体が楽しみの対象になっています。
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仕事が自分にとっての一体どういう部分なのか、億劫な気持ちで仕事に向かいたくないなら人生や仕事を選び直したり、考え直す必要があるかもしれません。
誰でも自由に生きる人生を送れると言う気になる体験談が本の後ろの方に編集されています。
もしかしたら私も出来るかもしれない、変わりたいと思う方には何度も読み返す事をお勧めします。
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