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徒然草のように

個人ブログです。

【書評】 横山秀夫 業界が欲しがる魅力的な人物とあっと言わせる苦いトリックの生みの親

書評 横山秀夫
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最初に横山秀夫作品に触れたのは、テレビドラマだった。

警察官僚たちの苦悩を描く名作『陰の季節』です。

人事官僚の二渡警視が業務以上に振り回され上司になぶられ、奔走するのですが、一見なにもエンターテインメント性がないように感じます。

しかし、ドラマシリーズがあるとつい見てしまう。

そのうち、ほかのシリーズをじっくり読みたくなって、横山秀夫の小説を次々と手にとりはじめました。

中でも、とくにお気に入りとなったのは『ルパンの消息』です。

―――ルパン作戦と呼ばれる、試験問題を奪う作戦を悪ガキ3人組が立てるコメディ作品かと思いきや、昭和最大の強奪事件3億円事件も絡み合ってくるという。

わたし個人的に、3億円事件に関して興味があるので、面白い解釈だなと思って読んだのを思い出します。

またこの『ルパンの消息』も後に映像化され、先の小説での二渡警視役の上川隆也が今度は溝呂木というまたしても刑事を演じています。

最近では、映画『64』オールスターキャスト登壇などで話題になりましたが、横山秀夫、病気療養からの復帰第一作でした。

人づてに聞いた話で申し訳ないのですが、記憶障害のようなものになっておられたそうです。

そんな中、あのような長編大作を書き上げたことに尊敬を覚えます。

小説もとても重厚で読んでいて本当に心に沁みました。これからも作品を出し続けてくださるのを待っています。

最後に、横山秀夫作品は警察小説ばかりだとおっしゃる方も多いと思いますが、犯人目線のもの『影踏み』や『クライマーズハイ』のような新聞記者同士の熱い戦いを書いた小説もあります。

ほんとうにおすすめです。

ルパンの消息

ルパンの消息