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徒然草のように

個人ブログです。

【書評】映画化もして話題沸騰中!有川浩の「植物図鑑」を読んでみました。

書評
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「別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」

 文豪・川端康成はそんな言葉を残したそうです。

このお話は、この名言をなぞるように進んでいきます。

 映画化もしました、有川浩の「植物図鑑」。

タイトルから、実際に図鑑の棚に配置されることもあるそうですが、中身は純粋も純粋な、真っ向勝負の恋愛物です。

けれど、読み終わる頃には少し植物にも詳しくなれるかも?

 主人公さやかはどこにでもいるしがない普通のOL。

ある冬の終わり、飲み会を終えて酔っ払っていたところ、自宅の前で行き倒れている一人の青年を拾います。

「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」「咬みません。躾のできたよい子です」もうこの時点で有川浩の真骨頂、ぐいぐいと独特な有川ワールドに引き込まれていきます。

そうしてさやかの家に転がり込んだ青年の名前は「イツキ」。

諸事情があって本名は名乗りたくないと言うミステリアスな青年は、しかし、料理がとても上手で、翌朝の朝食でさやかの胃袋をがっちりと掴んでしまいます。

「誰かに作ってもらったご飯が美味しい」という感覚は、一人暮らしを経験したことのある人なら身に染みるやもしれません。

この後もたびたびイツキの手料理が登場するので、寝る前の読書にはおすすめしません。

想像するだけで美味しそうで、お腹が空いてしまいます。

特に空腹時にはご注意を!

 イツキは料理が上手いほかに、植物、特に野草に詳しく、さやかに食べられる野草を教えてくれます。

それが楽しくなって、二人は週末には遠出をして野草を取りに行くことに。

読んでいると、ああ、私も取りに行きたい!と思ってしまいます。

生き生きとした登場人物が、爽やかに日々を駆け抜けていく様が、ありありと思い描けます。

また、作者の実体験にしっかり基づいて書かれているので、野草に目を向けたことなどほとんどない人間でも、二人の楽しさを感じ取れます。

野草ってほとんどスーパーに出回らないんですよね。

しかし取りに行ける自信もないので、いいなあ、と思ってしまいます。

 しかし、ある日イツキは――ここから先の展開は、ぜひご自身の目で読んで確かめてください。

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息を吐かせぬ展開、さやかの切々とした心境、色を無くした日々、二人はどうなってしまうのか、きっとページをめくるのさえもどかしく、早く早く、と思ってしまうはずです。

 結末?安心してください、ハッピーエンドですよ。

有川浩ですから、お墨付きです。

 有川浩と言えば「図書館戦争」シリーズや「自衛隊三部作」「空飛ぶ広報室」などが有名なので、ミリタリー色が強いのかと二の足を踏んでいらっしゃるかもしれません。

しかししかし、有川浩は恋愛モノも強いのです。

「植物図鑑」「レインツリーの国」「県庁おもてなし課」、どれも素敵でほっと胸が温かくなるお話です。

 ちょっと生きるのに疲れたとき。花がふわりと咲くような、心温まる、有川浩の「植物図鑑」、いかがですか?

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